幻影

職場の狭いエレベーターホールで
彼をみかけた。

なんでこんなところに?
仕事?

いや…人ちがいだ。

彼がひとりで
こんな所にいるはずがない。

だけど、この人から目が話せなかった。

まばたきしないどんぐり目も
どこか挙動不審な仕草も
やや癖のある髪も
彼そのものだったから。

この人のほうが、ちょっとスリムかな。

彼の思い出がたくさん浮かんできた。
日常の騒音で思い出せなかった
大切なこと。

あぁ、また会いたい。
彼のそばがいちばん良い。

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