ストーリー– category –
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放浪譚
マイナスをゼロにするところから放浪は始まった。 現状の惨状はどこまで続くかわからないような豪雨の道路。 窓から見える道路は現状ワイパーは意識。 ワイパーが走ったら水が切れて車線のみえない道路が現れる。そして、すぐまた雨粒のモザイクがかかる。... -
あるものないもの
鳥取にいるとき「死ねばいい」と よく思っていた。 何があっても私と対象、どちらかが消えればすべては“いい思い出”になる。 ぜんぶ、ぜんぶ泡沫だ。 自分を苛むのも対象を蔑むのも意味がない。 「死ねばいい」は幸せに生きる術だった。 ということをあわ... -
能
ホイッスルを習いに行った。 能について学んだ。日本の伝統芸能の「能」。 あの、ホイッスルって外国の笛でしょ? …いやいや。人前で演じるという意味では非常に通じるものがある、ということらしい。 **************** 能では同じ動きを ... -
思えば
1月、広島行きを決心した。 いろいろ考えながら、その瞬間もう行動に移していた。 そしてそれは ひとつのはじまりでひとつの終わりでもあった。 広島にいたとき、何を思ってそこに住み何を思って転々と住処を変え何を思って去っていったのか。 記憶の断片... -
おわりとはじまり_2
コンビニのバイトをやめた。二ヶ月前に はじめたばかりだったけど。 その、もとバイト先で気になってたプリン買ってきた。 「また買いに来ますよ」笑顔で店をあとにした。 そして、ちょっとだけ振り返る。 今は、また買いに来る気でもやがて終わりにするん... -
フリータイム
あの日の、日常のように 金曜日。久しぶりに、何も予定のなかった。 寒いし、風強いしなんか雪とか降ってるし。 でもせっかくの休日だから電車に乗って美容院に行った。 またショートに戻った。前髪だけそのまま。 ついでにバッグを新調した。夜はラジオを...
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