Old times– category –
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Old times
刹那
ぼんやりしてるとき いつも 限界までまだ動けるから大丈夫大丈夫って それが当然の毎日。 かけのぼってかけ降りてひとがいっぱいの電車に揺られて 自宅に帰るとこわれた ぜんまい式ロボットになる。ギシギシ ガクガク グラグラ 今日 ぼんやりしてるとき、 ... -
Old times
あるものないもの
鳥取にいるとき「死ねばいい」と よく思っていた。 何があっても私と対象、どちらかが消えればすべては“いい思い出”になる。 ぜんぶ、ぜんぶ泡沫だ。 自分を苛むのも対象を蔑むのも意味がない。 「死ねばいい」は幸せに生きる術だった。 ということをあわ... -
Old times
有は無から、無は有から
自転車で農道を走った。風はない。雲は少ない。遠くの山がくっきり見える。 静かだった。 自転車のタイヤが地面を噛む音がただジリジリと聞こえる。 余計な刺激がない最高な時間。 やがて 川の流れ、鳥の声そして通りの車の慌ただしい音が次々重なっていく... -
Old times
イン・ノミネ
夜道を歩いている間頭の中でずっと William Byrdの『イン・ノミネ』が流れていた。 今夜は風が強い。 虫の声は遠くにあるけどすぐそばにある、風の共鳴に阻まれている。 半月がある。近くにひとつ星がある。 光が強く、鋭く、刃物のように切り込んでくるみ...
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